一般社団法人 出版文化国際交流会 Publishers' Association for Cultural Exchange (PACE), Japan 本文へジャンプ


第66回フランクフルト・ブックフェアとイタリア四都市の視察報告

 

報告:西崎 充(昭和図書株式会社 営業部)


 2014年10月10日、早川書房の橋野紳一氏を団長に14名のメンバーはフランクフルトに向け成田を出発した。同日、午後フランクフルトに到着、夕方にはマインツのホテルにチェックイン。夜半に雨が降り始め、翌日のブックフェアの視察を心配しながら、朝までぐっすり寝てしまった。
 翌朝目覚めると靄がかかってはっきりしない天候だったが、晴れることを祈りながら、ブックフェア会場へ向かった。ちなみに一般で入るには大人は18ユーロ(¥2,500位)子供は12ユーロ(¥1,700位)とのことだ。9時に入場し、まずは6号館2階に日本の出版社が集まっている日本会場の「PACE(出版文化国際交流会)」ブースを訪問。そこで、歓迎と会場の説明を受け、以降自由視察となった。

 

FBF会場 出版文化国際交流会(PACE)ブース前にて

 

 「PACE」ブースの横の小学館ブースでは、日ごろ見慣れた書籍やキャラクター(ドラえもん&コナン)を見つけて思わず笑顔、そしてなんとなく安心してしまった。
 日本村ブースから、目指したのはコミックのある3号館の1階、わくわくしてコミック会場へ足を運びフロアに入ると、コスプレイヤーたちと若者で大賑わい。入り口付近の一角には「ミッフィー」一色のブースがあり、さらに進むとキャラクターの「ポケモン」の縫いぐるみが沢山見えたので、日本のコミックが飾ってあると期待して覗くとグッズのみの販売で、ちょっと残念な気持ちになった。
 3号館を一回りして、一息いれようと屋外広場に出てみると、レストランや屋台が軒を連ねている。昼前だったが、ホットドックをほおばりながらしばしの談笑。すると、ここでも思い思いのキャラクターに扮した、大勢のコスプレイヤーたちが行きかい、カメラを向けるとポーズを取るコスプレイヤーや、肩を組んで一緒に撮る人などで大盛り上がり。翌最終日にはコスプレコンテストがあるとのことで、その前夜祭?(昼だったけれど)だったのだろうか。
 時間も午後1時を回り、次に向かったのはアメリカ、イギリスの有名な出版社がずらり軒を連ねる8号館、さらに専門書の出版社の4号館を経て、最後に今回のテーマ国である「フィンランド館」を観て廻った。予想とは違い人が少なく、ほっと落ち着いて、静かな気持ちで観ることができた。
 そんな心静かに日本会場のブースへと戻って驚いたのは朝とは違い、たくさんの人が趣味的な本、特に手芸、おりがみ、料理といった本を手に取って興味深そうに見ていたのが印象的だ。とりわけ「おりがみ」を教える日本人女性と来場者が一緒に楽しそうに折っていた光景が目に焼き付いている。
 ところで、人が少なかったテーマ国の「フィンランド館」と専門書のブースのことが気になり「PACE」の方に聞いたところ、5日間の開催のうち、ビジネスデーに設定された最初の3日間は版権等の取引交渉で、かなりの人がいたとのことだった(我々が参観したのは、パブリックデーとして一般の読者に公開された週末の土曜日だった)。
 一通り廻り終えて思ったのは、日本の出版不況がフランクフルトの出展に今一つ勢いを感じさせないのではないかということだった(今後もゲルマン魂と大和魂で頑張ってもらいたいですね!)。
 翌日にはマインツを後にしてイタリア四都市(ローマ、ナポリ、フィレンツェ、ベネツィア)の視察。ローマに到着し、代表的な観光地を廻る際、バスでの移動中、魅力的な街並みを走りながら私の目に留まったのは、建物の修復の為、足場パイプとシートで覆われた建物が多かったことだ。ドイツで同じ光景を見かけた時、現地のガイドさんにひび割れの為ですかと尋ねると、冬前に修復を終えないと、ひび割れの箇所に水滴が入り込んだ場合、凍りつき膨張することによって外壁が剥がれ、崩れ落ちる恐れがある為と聞いた。美しい街並みや景観を損なわないようにするには修復をし続けなければならないのだろう。
 ローマの書店を何軒か訪問したが、日本と同様、平積みと棚置きがジャンルごとに分かれている。ジャンルは日本の中規模の書店と比べても分け方がおおざっぱなような気がしたが、表記がイタリア語なので具体的にはよくわからない。また、イタリアでは日本のコミックが売り場のかなりのスペースを占めていると聞いてきたのだが、それほどでもなく存在感も薄い気がした。
 日本では新刊本で装幀の傷んでいる書籍が店頭に並んでいるとたちまちクレームが読者、書店より我々に来るが、こちらでは「傷んでいる」ということの書店員の感覚が日本と全く異なるのかもしれない。私がみると「傷んでいる」とおもわれる書籍も通常に販売している。さらに定価で販売の書籍と30〜50%OFFの書籍を同じフロア内で販売しているのには、いささか驚いた。
 またローマ市内を観光中に、古本の販売をしている色とりどりのテントを見つけた。覗いてみると、児童書、料理の本、小説等、あらゆるジャンルの書籍が所狭しと並んでいた。なにかとても楽しくさせてくれるようなテント村だった。
 その後、ナポリ、フィレンツェ、ベネツィアを廻り我々の視察旅行を終えた。最後まで天候に恵まれ無事羽田に到着、団長からの挨拶で再会を約し、解散となった。
 皆さまお疲れ様でした。

 

 
   
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