一般社団法人 出版文化国際交流会 Publishers' Association for Cultural Exchange (PACE), Japan 本文へジャンプ


第21回ソウル国際図書展報告


報告:佐藤 佳苗(出版文化国際交流会)



名  称
Seoul International Book Fair
会  期
2015年10月7日(水)〜11日(日)
入場時間
10月7日(水)〜9日(金):10:00〜19:00
10日(土):10:00〜20:00
11日(日):10:00〜17:00
会  場
COEX(韓国総合展示場) Hall D
主  者
大韓出版文化協会
参 加 国
15カ国(昨年 22カ国)
イタリア、サウジアラビア、台湾、日本、中国、アメリカ、アゼルバイジャン等
入 場 者
101,354人(昨年 130,957人)
テーマ国
イタリア


 韓国国内でのMERS流行のため、今年のソウル図書展は会期が6月から10月へと延期された。そのため従来の半分ほどの大きさの会場しか確保できず、セミナー・講演会会場やライツセンターも遠く離れた不便なロケーションとなった。

 

会場入口

 

 出展や来訪取りやめも多く、特にテーマ国のイタリアが本の展示のみで、セミナーでのスピーカーを除いてスタッフが来ておらず、ブースに本だけが並んでいる寂しい様子だった。
 終了後、来場者数が昨年より25%弱マイナスだったと発表されたが、変更の広報不足か、あるいはちょうど同時期にパジュで開催される本のお祭りと重なってしまったためか、業界関係者にとってはフランクフルトブックフェアの直前となってしまったからなのか。翌日からは徐々に増えたものの、特に初日水曜の来場者が例年より圧倒的に少なく、今回の図書展は大丈夫かと皆心配したほどだ。またこの開催時期変更に加えて来場者の出足に大きな影響を与えたと思われるのが、図書展での販売割引率の変更だ。
 新刊発行後18ヶ月未満の図書の割引は定価の10%まで(送料負担などのサービスも合わせると実質的には19%まで)、それ以降の図書は割引規制なし、という従来の販売に関する法律が、新刊は実質も15%まで、旧刊も基本は定価制にと2014年11月に改正された。今回がその改正後初めての図書展となったわけだが、新法律は図書展会場でも適用外とされなかったらしく、どのブースでも国内書は定価販売か、わずかに10%引きをしているところがあるくらいで、これまで30〜70%引きを目当てに大勢の人が押しかけていた光景は過去のものとなった。これも今回大手出版社の出展が少ない理由ではないかとのことだ。
 ただし輸入書は法改正とは関係がないため、輸入書大幅値引きをしているブースは例年どおりたくさんの人が詰めかけていた。
 今回のこの状況を受けて、来年は図書展会場は法律の適用外とし、再び割引販売をして活気溢れる空間に戻すのか、あるいは値引き販売に頼らず本をじっくり楽しんでもらう場としていくのか、東京ブックフェアの今後を考えていく上でもよい参考となりそうなので、次回に注目したい。

 別会場でアート見本市がちょうど開催中されるからなのか、今年の図書展テーマは「Book Meets Art」で、イタリアの画家Fabian Negrinの作品特別展示、ストリートパフォーマンス、ハングルのカリグラフィーと音楽のコラボ、コーラス、会場外では生け花・盆栽の展示など、図書の他に様々な分野のものを目にした。

 

日本ブースの様子

 

 他国ブースの多くが観光や児童書など特定の分野を紹介している中、日本ブースは今回も様々なジャンルの本を展示し、外国ブースの中では一番の品ぞろえで人気を誇った。両国関係がぎくしゃくとしていた中での開催だったが、例年どおり日本からの本を皆楽しんでくれていたようだ。大手書店の教保文庫が売れ筋の図書を用意して(日本からの輸入書なので)20%引きで販売、特に休日は大勢の人が群がっていたが、来場者数を反映してか売上高は昨年より減少とのことだ。
 またトーハン、ポプラ社が単独ブース出展をし、ミーティングに忙しくされていた。化学同人社とオーム社からは今年もまた図書をお預かりしミニブース展示をした。

 

ポプラ社のブース

 

トーハンのブース

 

商談風景

 

 本会理事の舘野スさんが、これまでの長年に渡る韓日出版交流でのご尽力を評価され、韓国文学翻訳院から功労賞を授与された。図書展会場ではそれに合わせ、これまでのご著書・翻訳書紹介など功績をふり返る講演会が行われた。

 


授賞式での舘野 ス理事

 
   
©PACE