一般社団法人 出版文化国際交流会 Publishers' Association for Cultural Exchange (PACE), Japan 本文へジャンプ


第68回フランクフルト・ブックフェア報告


報告:横手 多仁男(出版文化国際交流会)



名  称
68th Frankfurt Book Fair 2016
会  期
2016年10月19日(水)〜23日(日)
会  場
フランクフルト国際見本市会場
主  催
Ausstellungs- und Messe GmbH des Boersenvereins des
Deutschen Buchhandels (ドイツ出版社・書籍販売店協会)
参 加 国
100ヶ国以上(104ヶ国)
出展社数
7,153社(7,145社)
ドイツ国内 2,432社(2,428社) ドイツ以外 4,721社(4,717社)
入場者数
278,023人(275,791人、前年比0.8%増、以下同)
このうちトレードビジターは142,300人(140,474人、1.3%増)
一般入場者は135,723人(135,317人、0.3%増)
登録報道関係者
10,000人(含むブロガー2,000人)
付帯イベント
4,000以上
テーマ国
フランダース/オランダ

※ ( )内は2015年実績


 今年も雨模様の天候が続く中での開催となった。会場全体の構成変更によりアクセスが短くコンパクトになって2年目、今年のフェアは少し落ち着いた雰囲気の中で開催された。上記のとおり出展社、入場者数とも微増、ほぼ昨年並みの数字が発表されている。
 今回のテーマ国はフランダース/オランダが選ばれ、フォーラム館には ”THIS IS WHAT WE SHARE “ のテーマの下、文学、美術、児童等の分野を中心に22ヶ国180社から700点を超える関連図書が集められ見応えのある展示となった。また5号館の同国ブースでも多彩な付帯イベントが催された。
 来年の第69回フランクフルト・ブックフェアの会期は2017年10月11日(水)〜15日(日)、フランスがテーマ国として取りあげられる。

 

日本の出展状況 — 日本のイメージが変わり、取引先から好印象だった
 日本からは31社が出展したが、出展会場は3号館(コミック・旅行関連、ドイツの出展社)、4号館(アジア諸国、学術・専門書・芸術書)、6号館(英米語圏出展社、エージェントコーナー)と多岐にわたった。本会では4号館1階(Hall 4.0)の入り口正面に単独出展社ブースとインフォメーション・センター、共同展示場からなる日本会場(展示面積128u)を構成した。

 


日本会場の入る4号館


4号館2階通路


4号館入口


日本会場メイン看板


4号館1階の日本会場


 今回は出展出版各社のご協力をいただきブースデザインを統一、日本としての一体感を全面に出した会場を構成し、天井から社名表示の標識を吊るすなど遠距離からも目立つ工夫を凝らした。
 Hall4.0の中のベストポジションに配置されたこと、さらに同じ通路に並んだ各ブースの相乗効果が現れ、実際昨年よりも新規顧客との商談が増えたと答える出展社ブースが多かった。
 開催2日目の夕刻、7年振りに実施した立食パーティーの”Happy Hour Japan”には予想を超えるおよそ200名の参加者があり、通路が溢れんばかりの盛況で日本会場を明るく盛りあげる大きな役割を果たした。出展社からは「厳しい商談交渉とは別に取引先と懇親を深める場となり有意義だった、次回もぜひ開催してほしい」という声を多くいただいた。なかにはもっと日本としての「おもてなし感」が出れば更によいというご意見もいただいた。

 




ハッピー・アワー パーティ


 次回に向けては、今回の成果を土台に多くの方のご協力をいただきながら日本からの出展社を増やしていく方策を探っていきたい。
 なお、本会では今年度もFBF参加事業経費について、「地域発コンテンツ海外流通基盤整備事業費(略称JLOP)補助金」を申請し、受理されている。

 


交流会スタンド


 
出展状況の個別概要 — 新規顧客との商談増える、商談相手国は28ヶ国
日本共同展示場(40u)

 日本インフォメーション・センター(16u)と共同展示場(計24u)で構成。
 日本インフォメーション・センターは国際交流基金と本会の共催で運営し、来場者からの様々な要請、問合せに対応した。
 共同展示場には、国際交流基金予算による図書の展示コーナー、壁面1m幅を基本とした6出展社のコーナー展示スペース、および出版2団体である(一社)自然科学書協会、(一社)大学出版部協会の展示コーナーを設けた。

 


インフォメーションセンター


1m 幅のコーナー展示スペース


 国際交流基金購入の図書は英文版の「Books on Japan」関連の図書を中心に、文学書、伝統文化、日本語学習教材から和食、コミック、Pop Culture、ファッション誌まで多岐の分野にわたる94社240点余を展示・紹介した。特に週末のパブリックデーには最も多くの来場者が訪れる展示コーナーとなった。同コーナーでは在ケルン日本文化会館の高羽洋充副館長及び大久保和正事務局長による来場者への丁寧な応接が目立った。
 1m幅のコーナー展示スペースには鹿嶋国際著作権事務所、光文社、三修社、トーハン、日経BP社、ポプラ社の6社から申込みをいただいた。コーナー展示スペースには基本的に展示棚4段に平台、テーブル、イスが用意され各社の担当者が精力的に版権交渉の商談を進めていた。このコーナーではエージェント・センターと異なり展示棚スペースから実際の図書を取って商談に使える利点もあり、ある出展社からは「Hall 6や5から来やすいのか、期待以上に来訪者があり、事前にアポなしでのミーティング機会も得られた」とのコメントをいただいた。
 出版2団体からの出展社・出展数は以下の通り。

自然科学書協会:17社43点
大学出版部協会:20部32点
合計:37社(部) 75点

 期間中、大学出版部協会の英文カタログの送付希望、デジタル関連、翻訳出版等の問い合わせがあり、帰国後同協会へ報告、対応をお願いした。

 

単独ブース出展
 下記5社が共同展示場の周囲に単独ブースを構えた。
 学研プラス(8u)、講談社(32u)、小学館(32u)、ディスカヴァー・トウェンティワン(4u)、日本著作権輸出センター(12u)。
 出展各社では英文サマリー、サンプル翻訳を始め様々な準備、工夫を凝らして商談に臨んでいたが、終了後の出展社へのアンケートによると、各社のビジネス評価はほとんどが「まあまあ良い」という回答だった。新規飛び込みを含め会期中に70件の商談をこなした社もあれば、新しい作品の成約見込みについて90%という回答を寄せた社もある。商談対象はマンガ、絵本、日本語教材に加えて一般書、実用書という分野も挙がり、商談相手国も欧米諸国を中心に中南米、アジア、中東地域と28ヶ国の国々に広がっている。

 


学研ブース


小学館ブース

 

書誌情報の事前発信 — 商談における必須基本アイテム
 今回も日本文学出版交流センター(略称J-Lit)のご協力をいただき、出展図書の書誌情報を事前に発信する体制を敷いた。具体的には、J-Litのウェブサイト”Books from Japan”上に出版2団体のすべての出展図書について英文書誌情報を掲載し、世界の出版関係者に事前周知するシステムを実施した。さらにそのカラープリント版を展示図書ごとにA4判で用意し、展示図書に付して来場者に紹介した。
 毎年、参加にあたっては以下の機関、団体からご協力をいただいている。

[在フランクフルト日本国総領事館]
 今回の日本総領事館ブースは、日本インフォメーション・センターからは少し離れたロケーションとなったが、週末のパブリックデーには広報文化担当の小暮 遼副領事、岩佐るみ氏らを中心に、折り紙、書道等の実演会が開かれ、来場者の人気を博した。

[(一社)いけばなインターナショナル]
 今回も同法人フランクフルト支部の全面的なご協力をいただき、日本会場の各ブースに生け花作品を飾り、日本文化の彩りを添えた。英文の機関紙『IKEBANA International 』は人気が高く、用意した100冊がすべて捌けた。

 
   
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