一般社団法人 出版文化国際交流会 Publishers' Association for Cultural Exchange (PACE), Japan 本文へジャンプ


第27回ニューデリー国際ブックフェア


報告:佐野 雄治(一般財団法人 名古屋大学出版会、総務・営業部)



名  称
New Delhi World Book Fair
会  期
2017年1月7日(土)〜15日(日) (9日間)
入場時間
11:00〜20:00
会  場
Pragati Maidan, New Delhi
展示面積
42,000m2
主  催
National Book Trust, India
参 加 国
12ヶ国
アラブ首長国連邦、イラン、エジプト、スペイン、スリランカ、中国、
ドイツ、ネパール、パキスタン、フランス、ポーランド、ロシア、日本
出 展 数
約1,000
国際機関
EU、UNESCO、WHO
入場者数
約10万人
入 場 料
一般: 30ルピー、学生: 20ルピー(1ルピー=約2円)。
ただし、小中学生、老人、障がい者は入場無料

 



派遣をうけて
 2017年1月5日(木)9:40分に中部国際空港を発ち、香港経由でデリー国際空港に到着したのは、同日21:10分。当地の大気汚染については日本でも報道されていたが、空港のゲートを出ると、空気も背景も霞んでいることに、まず驚いた。キョロキョロしていると、約束通りに、ホテル手配のタクシーが私を待ち受けていた。ホテルに到着したのは、夜の11時頃であった。
 一般社団法人 大学出版部協会が、国際交流基金および出版文化国際交流会(PACE)のプロジェクトによって毎年行っている海外国際ブックフェアへの派遣であるが、今年度は2017年1月・インドのニューデリー国際ブックフェアとなり、私がその任に当たる事となった。私は名古屋大学出版会で長く取次・書店営業に携わってきたが、国際ブックフェアといえば自ら運営に参画したのは東京国際ブックフェアが主であり、さらにインドは自分にとって初めて訪れる国でもあって緊張感があったが、自分なりに事前の情報を集めて、取捨選択し、出発当日を迎えることになった。

 

インド出版産業の概要——世界第二の英語出版市場
 インドの出版状況について入手できた資料は少ないが、ブックフェアにも出展していたインドの出版社「Kitaab社」のウェブサイトの記事「インドの出版産業について知っておきたい18のこと」(英語)によれば、インドは「世界で6番目に大きい書籍市場であり」、「特に英語書籍についてはアメリカに次いで世界第二位」とのことだ。書籍の55%は英語で出版され、35%がヒンディ語、のこりがインド諸語で、世界の英語出版の一つの中心として、1985年設立のペンギンブックス・インディアを嚆矢とし、オックスフォード・ケンブリッジの両大学出版局、アシェット、ランダムハウスなどの多くの世界的出版社が現地法人をかまえている。新興国としての経済成長にともない出版市場規模も(日本とは対照的に)成長中で、2012年から15年の年平均成長率は20.4%、小売業者数は2万1000以上、国の政策で特に教育関係の出版の充実が図られており、現在9,037社あると思われる出版社のうち、実に8,107社が初等学校〜高等教育のための書籍を出版しているという(ニールセン調べ/なお同記事中には「1万9000のパブリッシャー(出版者と解すべきか?)に対してISBNを付与し……」という記述もある)。
 日本語で読める資料も少ないが、2010年に同じくPACEにより同ブックフェアに派遣された楠田武治氏(小学館)による報告が詳細で興味深く、今回の派遣にも大変参考になった。楠田氏の報告には、今回私が残念ながらスケジュールの都合で訪問できなかった市内の書店についての記述も含まれている。

 

ブックフェアの概況
 ブックフェアは、会場である広大な国際展示場Pragati Maidanのうち9棟・10のホールに分かれて開催された。


展示場全図。
ブックフェアは地図中左手の一群のホールで開催され、
日本ブースのあるホールNo. 7は最も右の端に位置している。


 インド国内からの参加団体は756ブースで、No.7以外のホールに13の言語ブースに分かれてひしめき合い、多民族国家というお国柄を反映している。言語の内訳は、筆頭の英語426(3)、つづいてヒンディ語の277(4)、以下、ウルドゥ語17(19)、パンジャーブ語10(22)、ベンガル語9(7)、マラヤーラム語6(26)、サンスクリット語(不明)とシンディ語(不明)の3、グジャラート語(23)・マラーティー語(14)・オリヤー語(29)・タミル語(15)・テルグ語(13)のそれぞれ1である。なおカッコ内は世界における各言語の使用人口数の順位である。インド国内では相対的に「少数言語」だといっても相当な使用人口だ。
 われわれ日本を含む外国(およびインド国内所在の国際団体)から参加する15団体19ブースは、ホールNo.7に集められた。その出展国・団体名は、アラブ首長国連邦・フランス・中国・EU・エジプト・ドイツ・スペイン・イラン・パキスタン・ネパール・ポーランド・スリランカ・ユネスコ・WHO・日本、である。
 これらの外国ブースを除き、ニューデリー国際ブックフェアは、基本的に書籍販売(来場者への小売)の場である。広大なホールのなかの多数の販売ブースを巡回したが、どこもすごい人だかりで、さすがアジア最大(来場者数)のブックフェアだと実感した。飛びかう言葉はほぼヒンディ語のようで、不明な言語もいくつも聞くが、メジャーな出版言語が英語であることを考えると意外なほどに来場者たちから英語がほとんど聞こえてこない。上で紹介したKitaabの記事によると、インド国民全体に知識を普及するためには英語だけではだめで、英語が中心となっている出版の現状と各言語による教育・知識のニーズとの間に「深刻なミスマッチを生じている」という。そのため「ナレッジブック」という国家プロジェクトが行われており、基本的な書籍の翻訳と同時に優れた翻訳者の養成がおこなわれているという。
 もっとも印象的だったのは、各ブースで販売されている本の値段が、ディスカウント以前の表示価格(リスト・プライス)でも日本人の感覚からすると相当安いことだ。ケンブリッジ出版局の分厚い辞書・辞典類が日本円で1,000円くらいである。よく見るとやはりインド内で編集・印刷・製本の出版プロセスがされている。このことが、後で触れる我々への「書籍販売会社」のオファーと符合してくる。

 


ケンブリッジ出版局など、世界的な出版社の「販売ブース」がならぶ


インドの政府系出版機関のブース。
ガンジーに関する絵本から専門書まで、教育に力点を置いた書籍が並ぶ。

 

日本ブース
 我々日本を含めた外国ブースは、ホールNo.7に位置する。ホールNo.7は上でみた販売ブースがひしめく他のホールの建物群とは隔てられた位置にあった。入場者がホールを巡回するには連続性の面では不利な立地のためか、毎日11時の開場と同時に人が押し寄せてくるようなことはなかった。しかし、このホールには受付、ブックフェアの運営本部、トークイベント会場など図書展の中枢が集中しており、時間、日を追うとともに我々外国ブースの存在も認知されてきて、徐々に、しかし多くの人々が日本ブースにも向かうようになった。
 日本ブースは四畳半ほどの小間3つでカギ状の1区画を形成しており、本の陳列・人の動線・接客対応などにも充分の広さであった。
 それぞれの区画内では、2ヵ所の受付、ジャンル別に書籍を陳列したスタンド(下記)、DVD視聴用のモニターを設置し、来場者が座れる丸イスを数ヶ所に配置した。現地スタッフのサンガムさんが2016年に訪日した際に撮影した「伏見稲荷」「金閣寺」の写真が壁一面に拡大してディスプレイされ、会期中この前で記念撮影する人も多数で、集客に非常に効果的であった。

 

 分野別の図書展示 今回、展示した書籍は大きく以下のテーマである。総数231冊で、括弧内は各分類の内訳。英語による書籍が中心だが、一部日英併記、日本語の書籍も含まれていた。

 

  1. 日本流「整理整頓」(7)
  2. 英語に翻訳されている日本文学で、年代が最近のもの(38)
  3. 女性作家の作品で、英訳されているもの(15)
  4. 俳句、短歌に関連する書籍で、日英併記のものを中心に(8)
  5. 人気コミックの英語版(41)、実用書(17)、芸術・伝統などの分野で、写真中心で日本語を解さない人でもビジュアルで楽しめるもの(46)
  6. 日本語学習教材(21)、人文・日本文学・児童書(38)
     *その他提供物:カタログ245部・折り紙100枚

 日本流「整理整頓」のすすめ「1.」については、今回のブックフェアでは関連イベントとして、国際交流基金・デリー事務所の宮本薫所長による、世界中でベストセラーとなった近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版、2011年)を題材にしたトークイベントが、フェア2日目の1月8日(日)と5日目の11日(水)に催された(後述)。
 英訳された日本文学書「2.」については、世界的に知名度があり、毎年ノーベル文学賞受賞かと騒がれている村上春樹氏の英語版が数点並べられた。とくに女性作家の作品「3.」に焦点が当たっているのは、今回のニューデリー国際ブックフェアのテーマのひとつが「女性作家」であることに対応したものである。
 その他、俳句と単価の関連書「4.」は、世界的に愛好者が増えている状況をふまえての出品、いまや「クールジャパン」の定番であるビジュアル書「5.」は、インドでも愛好者が多いカテゴリーである。こうした文化への接近のツールとして、日本語学習の人気は落ちておらず、ブースでもすぐれた日本語テキスト「6.」を展示した。
 カタログは国際交流基金、PACEが発行した日本の出版案内(『Worth Sharing』『Publishing in Japan』)のほか、持参した大学出版部協会の英文カタログを用意した。


特集展示「日本の作家たち」(Japanese Authors)
 ジャンル別書籍コーナーとは別に、日本を代表する作家の中から下記4名による話題書の英訳版または原書を、写真パネルとともにクローズアップ展示することになった。

  • 大江健三郎:『Death by Water』−『水死』の英訳版。
  • 宮下奈都:『羊と鋼の森』(日本語原書)−本屋大賞1位受賞作家。
  • 上橋菜穂子:『Moribito T・U』−テレビで話題の『精霊の守り人』の英訳版。児童書のノーベル文学賞といわれる国際アンデルセン賞作家賞受賞作家。
  • 近藤麻理恵:『The Life-changing Magic of Tidying Up』−世界中でベストセラーになった『人生がときめく片づけの魔法』の英訳版。

 


日本ブース「日本の作家たち」コーナー

 

 ブースの企画・運営、またこれらの特集展示なども国際交流基金デリー事務所によるもので、作家の写真が目を引くコーナーとなっていることについて、担当の同事務所・夫津木美佐子氏は「日本の作家さんのお写真を見る機会のほとんど無いインドの方にとって、本を手に取ってみてもらう機会になりました。日本の作家さんの書籍というのはまだまだインドでは少ないので、もっと増えると良いなと思います」とコメントされていた。

 

 トークイベント 国際交流基金デリー事務所の宮本所長によるトークイベントは、世界中でベストセラーとなった近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』を題材に、「ミニマリズム」と題して行われ、日本流「整理整頓」を紹介された。このイベントは5日目の11(水)にも催された。夫津木さんによれば、イベントには2日間で計80名の聴講があり、「だん・しゃ・り」「かた・づけ」といった日本語のキーワードを挙げながら「片付け」をミニマリズムから説明したくだりでは、その思想を仏教に結び付けて考える聴衆もいて、イベント後に日本ブースに立ち寄り片付けや収納関連の本(上記@)を手に取った人も多かったという。


 
トークイベントの告知と会場風景

 

来場者とその反応

 日本ブースへの来場者は私の事前の想像以上の多数にのぼり、私が帰国するまでの数日でも7,479名、いつでも人だかりがしている状態であった。年代も幅広く、学習意欲のある学生から、教育熱心な親に連れてこられた子ども、ビジネスがらみの中高年の各層が来場され、それらに対し現地スタッフたちが熱心に対応している姿が印象的であり頼もしかった。
 本を手にしている姿を一番見かけたのは、予想していたとおりマンガ・アニメ大国日本の誇るコンテンツ、『ワンピース』『ドラゴンボール』『NARUTO』などが置いてあるコーナーで, とくに盛況だった。日本語学習テキストのコーナーでは、日本語が学べる学校・教室、日本留学に関しての問い合せも多かった。これに関しては、現地スタッフたちが自分の経験から、国際交流基金デリー事務所での学習体験や、留学ガイドの閲覧を勧めていた。
 しかしやはり日本のこととなると、スタッフから私に対応が振られることが多く、たとえば、特に理工系の大学生から、日本留学オススメの大学を尋ねられることが多かった。その分野の専門家ではない私は、代表的な大学と調査方法を伝えるのにとどまらざるをえなかった。

 


日本ブースと現地スタッフ。左から2人目がブース責任者のサンガムさん。

 

ビジネスの場としての日本ブース
 本を買いたいと訴える来場者 国際ブックフェアといっても、その目的や来場者層はそれぞれに異なる。例えばフランクフルト国際ブックフェアは出版社同士が版権を交渉するといった、いわゆる出版のプロ同士のB to B(企業間取引)がメインであろうが、東京国際ブックフェアは、すくなくとも我々日本の出版社にとっては読者に直接販売するB to Cの場である。自分で読みたい本を買いにくる入場者が圧倒的多数だという意味では、ニューデリー国際ブックフェアは東京国際ブックフェアに本来はとてもよく似ている。我々日本ブースでも「この本は買えないのか」「なぜ買えないのか」という問い合せは幾度となく繰り返され、途中から書棚に「Display ONLY(展示のみ)」の案内板を貼りつけることになった。一営業マンとしては、その場で購入できないことがわかって大変落胆しているお客さんの姿に相対するのはなんとも心痛む瞬間だ。ネット書店などでの購入案内や、他の販売ブースで現地版が出ている可能性などを説明したが, それにかかるちょっとした時間とひと手間は購買意欲を削ぐのに十分である。ここまで熱心なインドの読者の要望に出会ってしまうと, なんらかの方途を考えたくなるが, 公益事業としての出展趣旨をはじめ日本とインドの価格差、さらにテクニカルな問題でも販売スペース, 物流、収益の確保から、現地スタッフの配置や事前教育まで、これまでの検討でもやはりクリアすべき問題が多くあらわれ、当面は販売情報の普及をはかりつつ、日本/現地の関連する業者さんとの連携をさぐることが課題なのだろう。

 

翻訳のオファー

 私が事前に対応を想定していたのは、インドまたは外国の出版社との翻訳権交渉だった。日本書籍をインドで翻訳する翻訳権については、今回日本ブースに出展した多くの書籍がすでに英語に翻訳されている本であったためか、問い合せすらほぼなかったといってよい。
 その一方で、インドの書籍を日本語に翻訳できないかという問い合わせは多く、たとえば、(インドならではということか)精神世界、ヨガ、占星術などの関連書マーケットの日本における状況、翻訳権の販売方法を尋ねられることが多かった。残念ながら私が直接仲介できる日本の大学出版部のなかで、これらに対して関心をもちそうな所はないのだが、一般的には日本でも一定以上の読者があり、充分参入できるのではないかと示唆した。リサーチ方法として、ブースに準備したガイドブックを示して説明した。

 

「書籍販売会社」という存在

 そのようななかで、私が予期していなかったのは、多数の「書籍販売会社」(ブック・サプライヤー)の来訪だった。冒頭で、インドの出版市場の規模の大きさを挙げたが、日本のように全国に送品網をもつ取次会社というものはなく(取次はおそらく日本固有の業態だろう)、多くの書籍販売会社が広いインド中の出版社と書店を繋いでいるのだろう。そしてインドの場合、冒頭で述べたように「英語がインド第一の出版言語」であるために、我々日本の英語書籍であっても十分に彼らの国内顧客のための商品になりうるのである。
 日本ブースに来場する「書籍販売会社」の多くは、そのようなわけで出展書籍の販売契約、ひらたく言えば「仕入れ」の希望をもってやってくる。また、インドの読書人口がもともと多い上にさらに増加しているので、日本語の原著ですら(特にビジュアル本、上記D)ある程度の数の読者は期待できるというのである。
 先にのべたように、インドの平均的な書籍の価格にくらべると日本の書籍は大変高価であり、実際に私たちが彼らインドの「書籍販売会社」と取引を開始するとなると、日本の本に本当に市場性があるのか、取引条件はどんなものになるのか、予断を許さない要素は多い。どの業者の信頼性が高いのかも調査が必要だ(来訪したある業者の様子をみて現地スタッフが「この人はちょっと怪しいですよ」と目配せしてくれたこともあった)。しかし、これほどまでに読者の求めがあり、なのに日本ブースではB to C(読者に直接販売する)が不可能なのであれば、(翻訳権ではなく)「書籍販売のB to Bの場」として、今後ニューデリー国際ブックフェアの日本ブースが展開してゆく可能性も高いのかもしれないと思われた。我々日本の書籍は、インドで直接売れる可能性が十分にあるのだ。
 そして、現在インドの「書籍販売会社」たちが日本に対して持っている期待は、さらに次の段階を行っている。日本ブースに来訪し、私が対応した「リサーチコ・ブックス&ピリオディカルズ」社のディレクター、アニル・ジェイン氏は、同社が書籍に関するほとんど全て——印刷、製本、倉庫・流通、書店卸・直接販売、電子出版——をワンストップで実現しているとアピールした上で、日本の書籍をインドで販売するオファーのみならず、もし日本の大学出版部が安価に(英語の)書籍を刊行しようと思えば、自分たちがそれを実現できる、ともちかけるのだ。
 インドはアメリカに次ぐ世界第二の英語出版市場であり、しかも単に作るだけならコスト競争力はアメリカなど比ではない。ジェイン氏が私にもちかけた話は実は世界の各所で実現しつつある話で、オックスフォードやペンギン、サイモン&シャスターなどの世界的にメジャーな出版社のインド法人は、インド国内の英語書籍市場への対応に加えて、彼らが世界中に安価で英語書籍を供給するための拠点に、すでになっている。一部の編集機能すらインドにある場合もある(これは彼らの日本法人の多くが販売機能だけで、編集機能を持たないか手薄であるのと好対照を見せている)。帰国後、日本の書店の洋書売り場に並んでいる、かつては高価だったのに今はびっくりするほど安くなった辞書・辞典を手に取ってみると、「Printed and bound in India」(インドで印刷・製本)とあるものにしばしば行きあたった。
 気が付かないうちに、インドの出版業界は私たちのかなり近くにいたのではないか。日本の書籍コンテンツのダイレクトな発信のパートナーとの出会いという面でも、また日本の出版社が英語の書籍を制作して世界的に展開してゆくパートナーとの出会いという面でも、今後、ニューデリー国際ブックフェアの重要性はますます高くなってゆく予感がする。

 

国際交流基金デリー事務所訪問
 1月8日(日)のトークイベント終了後、講演された国際交流基金デリー事務所の宮本薫所長と職員の夫津木美佐子さんから事務所にお招きいただき、館内のご説明をいただいた。
 宮本所長は、前任地のカイロからデリーに赴任されて2年目とのお話であった。各赴任地でのご苦労話もお伺いできた。夫津木さんは、今回のブックフェアにおける日本ブースの統括責任者であり、デリーに赴任されて4年目の、有能かつ冷静な方で、お若いのに本当に頼もしく、到着時から滞在中、私が一番お世話になった方である。
 デリー事務所内には、ライブラリーが設置されており、マンガ・雑誌・辞書類・歴史・文化・日本語学習書などが、かなり網羅されて配架されている。

 

ライブラリーの概要
 蔵  書 書籍:15,000 マンガ:1,500 児童書:200 月刊誌:13タイトル
     新聞:読売新聞(日本語)ジャパンタイムズ(英語)
 マルチメディア CD:400 DVD:300 インターネット利用/30分(1回)
 レファレンスサービス 貸出サービス/14日

 

 また、このようなハード面だけではなく、日本語教室、日本留学の相談、芸術イベント、一般参加者を募った寸劇会などをはじめ、各種イベントが定期的に催されている。
 デリー事務所の役割は、このような形に見えるものだけではない。お二人のお姿からは日本とインドの交流の深化と拡大に向け、事務所スタッフ全員が不断の努力と固い意志で仕事に対していることが、ひしひしと感じられた。

 


国際交流基金デリー事務所の宮本薫所長(左)と夫津木美佐子さん(右)。中央が報告者。


ライブラリーの館内。雑誌やコミック類も充実している。


コスプレの衣装もある(右)

 

おわりに
 日本国内での業務の関係から、ブックフェアの会期終了をまたずに帰国することになったが、その前日、ブースのスタッフの皆さんと夕方までご一緒した。現地のスタッフ全員に心からお礼を申し上げたい。
 インドへは、これまでプライベートでの旅行体験もなく、今後行くこともないだろうと思っていたわけであるが、今回、巡り会えた人びとの温かさ、街の風景などにふれ、ふたたび訪れたい国の一つに加わったことは間違いない。
 最後に、この場を借りて、大変貴重な体験の機会を与えてくださった関係者の方々に心からお礼を申し上げて報告を終えることとする。

 

参考文献
 
   
©PACE